月世界戦士 (チェンゲ。隼→竜?ゲッター→竜?。月に着いた後の竜馬の話)

チェンゲ。隼人→竜馬とも、ブラゲちゃん→竜馬ともつかないぐだぐだした話。
月面基地でどんなことあったのかな~こんなことあったかな~みたいな妄想です。
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手探って一番始めに触れたもの。それが操縦悍だと、竜馬は本能的に察した。
とにかく何でもいいから動かそうと、ぐっと手前に引く。しかしそれはガチガチに凍ったように動かず、望んだ手応えはない。
異変に気づき、竜馬は顔を上げ瞳を見開いた。そして、自分のその動作で、己が今まで意識を失っていたことに気づく。
狼狽した様子で、竜馬は辺りを見回す。ここはどこだ。確か己は、真ゲッターに乗ってインベーダーのやつらを追っていた筈だ。
座っていたのは、確かにコクピットだ。だが、様子がおかしい。コクピットを守るための装甲が一枚薄いように感じた。
そして外の様子を確認するため、ハッチを開けて立ち上がったその先に広がっていた光景は、予想だにしていないものだった。
腕、腹、頭蓋、いずれの機体もどこかを欠損し、虚しくくずおれ積み重なっている。
幾重にも積まれた、機械の骸。人のために戦い、そして忘れ去られたものたち。風ひとつ吹かぬ、昏く深い澱み。
この光景には、見覚えがある。月面基地地下にある、ゲッターロボの墓場だ。
コクピットから立ち上がった竜馬は、しばらくの間ぼうっと、懐かしくもおぞましいその光景を唖然とした表情で眺め続けていた。
俺は、なぜここにいるのか。
どういうことだ。まさか、この機械の塊達と同じように、俺もあの時死んだのか。この塵の一つも動かないゲッターの墓場が、俺に用意されたあの世なのか。
とりとめもないうつろな感傷に漂う竜馬の意識を、布越しに胸元に触れる、ずしりとした鋼の重さがふと覚醒させた。
「…」
懐から鋼鉄の塊を取りだし、竜馬はそれをじっと見つめる。
「隼人…」
あの男から無理矢理渡された拳銃ーーそれは、あの男から用意された、あの男を殺すためのものだ。
どこからともなく僅かに光を受け、にびいろに重苦しく輝くそれだけが、ぶつ切りになった世界に一人立つ竜馬を、此岸と結び付ける唯一の証だった。

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幾ばくかの星の光さえ満足に届かない基地の奥、動力系統の操作室を出て、竜馬は首をかしげた。
確か、月面戦争が終わってからも暫くは、戦後処理のスタッフが常駐していた。しかしそれも既に引き上げ、今は内部には誰もいない筈だ。
にも拘らず、基地内の重力調整と大気循環のシステムが稼働している。しかし、人の影はない。
(どうなっているんだ?一体あのあと何があって、俺はここに…)
いくら考えてもわからないものはわからない。浮かび上がるのは細切れの記憶、行き場を失った憎しみと怒り、そして無数の疑問…。
(いや…違う、もっと、何かーー)
それだけではない何かがある。確信だけはあるのに、その何かを思い出せず、竜馬は一人眉を潜めた。
だが、どんな場合でもひとところにじっとしてぐるぐると思案するのは、どうにも性にあわなかった。
(…考えてたってらちが明かねぇ)
立ち止まっている暇があるなら動いて、少しでも手懸かりを見つけ出すべきだ。そう思い、とにかく外界の様子を確認しようと竜馬は脚を動かした。

内部の様子から、竜馬はそこが月面にいくつかある基地の中の一つだと判断していた。
だったら、地球の様子を調べるには、あの場所にいくのが一番手っ取り早い。古めかしく、暖かいだけ残酷な記憶を頼りに、竜馬は一番地球側の端にある指令室まで急いだ。

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『ここが、一番しっかりと見えるんだ』
そう言って、美しいあの星を見るための特等席に連れていってくれたのは、竜馬を手酷く裏切ったあの男だった。
月の裏側と表側の狭間。言わば極に位置したその基地からは、構造上ほぼ全域から地球を見ることが出来なかった。
明日の生死もわからぬ中で、生まれ故郷と隔絶された地に配属されたのだ。周りの兵士のなかには、ホームシックならぬ母星シックを引き起こすものも少なくなかった。地上に残してきた肉親など居ない竜馬も、生まれた星と完全に切り離された生活には、流石にすこしばかり戸惑いを生じさせられた。
その基地についてから三ヶ月程たってからだ。隼人に『いいものを見せてやろう』と言われ、この第三指令室に呼ばれたのは。
そこは、普段訓練指令用にしか使われない施設だった。本来の指令室よりもいくらか設備は劣り、部屋の面積も狭い。インベーターとの戦いが激化してからは試験搭乗の暇さえないことも多く、殆ど使われていなかった。
その施設の外部モニターはガラス張りになっていて、非使用時は外界の様子を確認することが出来るようになっていた。
月面基地での丑三つ時、仕事帰りで白衣姿の隼人に鍵を開けてもらい、宿舎を抜け出した竜馬は普段担当職員以外立ち入り禁止になっているその部屋に足を踏み入れた。
『ばれたらやべぇんじゃねえのか?』
『資料を取りに来たとでもいうさ。それよりも、見てみろ、竜馬』
そう言って少し自慢げに隼人が指差したガラスの先には、暗い宇宙のなかにぽっかりと浮かぶ二人の故郷の青い星が、その海と空の色のままにキラキラと輝いていた。
『おぉ!すげえな!』
『あぁ、武蔵なんぞ連れてきたらホームシックで泣き出しそうだろう』
『ははは、あいつこっち来てから郷の話ばっかしやがるもんなあ。ちげぇねえ…。しっかし、ほんと…すげぇぜ!訓練中よりくっきり見える』
我知らず歩を進めて、竜馬はモニターに片方の手のひらをあて、掴めそうな距離にある生まれた星を見詰めた。
星ぼしは、己の力で、または他の星の光を受けて、暗闇で存在を呟くようにそれぞれにきらめいている。
それでも、目の前の守るべき場所が、やはり己にとっては一等輝いている。
竜馬は、それを確信した。
『お前には、教えておきたかったんだ』
『っ!?』
自分よりも随分と上背のある隼人に、後ろからガラスと彼の身体の間に挟まれるような体勢で話しかけられ、竜馬は少し虚をつかれた表情をした。
『俺にはって…なんでだよ?』
くるりと背後を振り向くと、なんだか普段とは違う、なにか思い詰めた表情をした隼人と目があった。
その表情はすぐに驚きに代わり、次いで、気まずそうに瞳がそらされた。
『……なんでーーと、いわれると…そうだな…その…』
『?』
普段は会話の次の次を読み、言い淀むはめになりそうなことはわざわざ言わない隼人の珍しい様子に、竜馬は小首をかしげた。
『…まぁ、確かに武蔵なんぞに知らせたら毎日見にきちまいそうだけどなぁ。泣いちまいそうだぜ、あいつ』
『ん、まぁ、そうだな…』
背後の隼人が、熱くなってしまっている頬を冷まそうと勤めているのに気づかず、竜馬は話を切って前に向き直った。見上げる大きな瞳が目の前から消えて、隼人は竜馬の預かり知らぬ背後で、安堵とも残念ともつかない表情をした。
『でも、確かに教えてくれてよかったかもな…。やる気がでてくるぜ!』
『やる気…か?』
『おう!絶対あの星に手出しさせる訳にはいかねぇ!インベーダーの野郎共、一匹残らず狩り尽くしてやる!』
ニィ!と竜馬は口角を上げて笑った。ギラギラと燃え立つ竜馬を見て、隼人はその後ろでふ、と笑っていた。
ーー全く、不思議なやつだ。
そんなことを、その時の隼人は思っていた。
隼人にとって、竜馬は時に謎そのものに見えた。武蔵のように郷に家族がいるわけでもなく、己のように研究者として目的をもってそこに関わっている訳でもない。
インベーダーに知古を殺されたわけでもない。
竜馬はすでに家族もなく、しかも殆ど早乙女の独断でこの戦場に連れてこられた、なんの経験も敵味方との因縁も無い異端の戦士だ。同じように何も失うものの無い境遇の、ただ日銭を稼ぐために来ている者たちは沢山いた。しかし彼らが生き急ぎ、どこか己の運命が死に向かうことを諦めている傍らで、竜馬はどこまでも生きる意志と戦う闘志を燃え立たせていた。
そして、彼はよほどのことがない限り、誰かに肩入れしたり私怨で動くことはしない。ただ常に『全体』を思って戦っている。
無私の奉仕のような戦いに身を投じても自己犠牲の脆さを感じさせない何処までも自立的な気質と、誰のためでもなく全てのために突き進んでいける真の意味で強い使命感。屈託無く人懐っこい笑顔と、敵を狩る時の噛みつき肉を食いちぎりそうな捕食者の笑み。幾つもの要素が彼の中で彼だけが持つバランスの上に並び立ち、隼人にとって酷く興味深く魅力的な『個』を形成していた。
しかし、隼人がそんな目で己を見ていたことも、二人きりになりたくてここに来て、故郷の星の前で出来る限りロマンチックな言葉を投げ掛けてみたのに全く思わしい反応がなく『やはり俺も彼にとって分け隔てないうちの一人に過ぎないのか』と心中傷ついていたのも、竜馬は全く気づかなかった。
しばらく隼人は、やはりノスタルジックな思いを掻き立てる青い星の姿と、それを眺めて燃え上がる竜馬の生命力に二つの神秘を見いだしていた。
『にしてもよ…いい景色だな。また、たまには連れてきてくれよ、隼人』
『!……あぁ、そうだな。…やっぱり、綺麗だな』
『あぁ、俺には似合わねぇ言葉かも知れねぇけど…でもよ、やっぱり思うぜ、綺麗だって』
振り返って笑う竜馬に答えた隼人が見ていたのが、地球ではなく己の、時に菫の色にひかる瞳が宿した炎だということにも、竜馬はついぞ気づかなかった。ただ、友と心を通わせられた瞬間が、純粋に嬉しいと思っていた。
しかし、生まれた星を見ても泣き言一つも言わぬ竜馬の強さへの敬意と畏怖、そして彼の内側に入り込めない寂寥が、隼人に竜馬の『強さ』とうちに秘めた『繊細さ』ーーもはや誰も己を知る者がいない星でも、そこで幾つもの生命が息づいていることをごく自然に素晴らしいことだと思って、ガラス越しにその輪郭を指先でなぞる。そんな秘めた繊細さだーーの程度を図る目盛りをほんの少し狂わせた。その小さなかけ違えが、いつか目の前の大好きな青年の人生を、そして己の人生をも狂わせる結果に繋がるとは、その時は隼人は思いもよらなかった。もちろん竜馬も、彼がそんな屈折した思慕を己に感じているなど、その時は欠片も知りはしなかった。

—————–

『あの星に手出しさせはしない』
その熱い思いは、ずいぶんと昔に死んでいた筈だった。今、この時までは。
ドアを蹴破り、目の前のガラス越しに広がった風景に、竜馬は眼を剥いた。
あの美しい青は、汚れきった大気に隠されて全く見えない。これが本当にあの地球なのか?竜馬の心は驚愕した。
その時だ。ガラス張りの筈のモニターに、映像の乱れが起こったのは。
映し出されたのは、重量子爆弾の崩壊。そして、地球を覆う汚染雲。
「なんだ?!…これは…」
モニターの誤作動か?
直感的にそう思い操作パネルに触れようとしたその瞬間、機械全体が、緑色の光に包まれ始めた。
「!?」
その包み込むような輝きよりも強い、突き刺すような光が、顔前のモニターから発せられる。
反射的に顔を上げた瞬間、竜馬の目の前のモニター一杯に、幾つもの断片的な場面が写し出された。
武蔵のーー友の死。インベーダーとおぼしきあの二人組と対峙する隼人の姿。娘の亡骸の前に立つ早乙女。向かい来る異形の波。
フラッシュバックのように幾つもひらめく映像に振り回され引きずられ、竜馬の脳裏は『思い出すべき記憶』を思い出していく。あの爆破に巻き込まれ飛ばされた先で見た、インベーダーに取り込まれた者以外の、全ての命の記憶を。幾つかの断片的な真実を。
そして、やがて竜馬は知るに至る。
ーー真に倒すべき敵は、今も昔も変わらない、あのインベーダーだと。

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緑の光ーーゲッター線の色に他ならないーーが消えた後、竜馬の手元のパネルには、デジタル表示で今現在の、彼の知る年から13年後を示す地球の年月日と時刻が表示されていた。モニターは既に消え、目の前にはあの、美しかった星のなれの果てがガラス越しに映し出されている。
袂をわかったとはいえ友を、身近だった人々を失った悲しみ。一度は守り抜いた星を蹂躙された悔しさ。全てを企てたインベーダーへの憤怒。
沸き立つ無数の感情をそのまま魂で飲み込んだ竜馬は、既に私怨の復讐者ではいられなかった。今ここにいるのは、例えあの星が既にインベーダーの手に落ちていたとしても、人類の最後の一人となってもそれらと最期まで戦い抜く意志を持つ、狂うほどの激情を孕んだ戦士だ。
懐に持つ銃を渡された男のことは、彼の抱えていた事情も、彼が己に覚えている悔恨の念も、その裏に秘めているいびつな思慕も、今の竜馬にとっては『些末なことのひとつ』と化していた。
それは隼人にとっては、あるいは一番の罰の形であったかもしれない。だがその代わり、竜馬の中ではやっと、あの日地球を見て笑いあった友と、今の彼とが地続きになった。

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風一つ吹かぬゲッターの墓場。そこに竜馬は帰ってきた。目覚めたばかりの時はそれは鉛色の骸達にしか見えなかったが、今見るとどの機体もうっすらと、本来の色が浮かび上がって見えた。
「おまえ、だったな」
そう言って、竜馬は己が目覚めたコクピットを持つゲッター1を見上げた。
迎撃数ナンバーワンのエースパイロットだった竜馬は、同時に敵に狙われやすくよく搭乗機を破壊された。しかしどんなにボロボロに機体が破壊されても、本人は必ずピンピンして戦場から戻ってくる。そんな年若い英雄にあやかろうと、冗談混じり本気半分で同じ戦場の兵士たちーー大抵は竜馬より年上で、既に中年に差し掛かった男達だったーーにゲン担ぎと称して頭を撫で回されたことも幾度かあった。彼らの手に、最後の身寄りであり、ここに来る前に無くした父の見せた幾度かの優しさを思いだすこともあり、竜馬はそうされるのは、表面上は恥ずかしがっていたが本当は嫌ではなかった。それでも、その男達も殆どは、激戦の中で命を落としていった。
今竜馬の目の前に佇んでいるのも、竜馬が乗って、そして壊したうちの一機だった。月面戦争が終盤に差し掛かるほどに、戦果をあげるゲッターチームへの投資は進んだ。最後にはチーム三人が一人一組のゲッターロボを操るようになる程だった。計9機のゲットマシンを操り、自動操縦と有人飛行の合体連携で敵を撹乱する。消耗させたところで一斉にゲッター1にチェンジし、インベーダーをビーム照射で一網打尽にする。そんな追い込み漁のような原始的な作戦も思ったより功を奏したことを、竜馬は思い出した。
(こいつには、二度助けられたことになる気がするな)
通算N機めのこの機体とは、何が違ったのか解らなかったが、他の機械以上に、なぜか『気』があった。
竜馬の意思に、操縦よりも一瞬はやく反応するようなーーまるで脳髄と機体が一体化しているような不思議な瞬間もいくつかあり、これを駆っている時竜馬の迎撃数は更に早いスピードで増えた。
その奇妙なシンクロは、この機体の最後の戦いでも発揮された。いつも以上の敵数に囲まれ、触手に囚われ身動きの取れない状態で、インベーダーにコクピットを直接襲われた。あわやと思ったその瞬間にーー竜馬は、自分がその操作をしたのか未だに覚えがないーー片腕が眼前に伸びて、攻撃を受け止めた。
命が繋がったと知った瞬間、竜馬は一気に火勢に転じた。半壊した片腕と衝撃で割れたフェイスガラスをそのままに、触手に絡まれた片足も膝から下を自ら引きちぎり、二肢を失った状態でも全く臆することなく周囲の敵を片っ端から肉片に変えていった。
『竜馬!何してやがる!さっさと片付けるぞ!』
敵陣を地中から抉り裂いて現れたゲッター2に一言応と返し、合流した仲間と共に活路を裂いて、竜馬は帰還した。
(片足は他の機体からもってくりゃあ良い。クレーンが使えればなんとか移動させられる筈だ。片腕は…確か武器庫にミサイル銃があったなーー)
半壊したゲッター1をどう修復するか考えながら、竜馬は鈍く赤く光るその機体を見つめた。緑に輝くフェイスガラスとアイガラスは壊れ落ちていたが、一枚装甲を作れば防御面はカバーできるだろうと竜馬は判じた。
とりあえず、当座の生活のための環境は基地内を走り回って整えた。後は己の腕がどれだけこの機械の勘所を覚えているか次第ーー時間との勝負だ。
月面に捨て置かれた基地だったが、ゲッターを一機出撃させるぐらいのエネルギーはかき集められそうだった。元は宇宙開発用のマシンだ。大気圏突入に耐えられるかは賭けだったが、地球に接近することは十分に可能な筈だ。
己が目覚めたコクピットを持つ、この機体を修復し地球へ戻る。そしてインベーダーどもから取り戻す。あの日見た、美しい青を。
その決意に向けて、竜馬の感情は純粋化していった。
その後のことは今は知ったことではなかった。全ての怒りを燃やし尽くすまで、ただ戦うのみだ。
例えあの星に、もう誰も居なかったとしてもーーいや、人類がそんなにヤワなはずがない。ましてや、まだ隼人がいる筈だ。
己がゲッターに導かれるままにここに来たように、彼も何らかの形で生きているに間違いないと、竜馬は勝手に確信していた。それは、友の無事を祈る心だとか、そうあればいいといった希望的観測を越えた、一種の信頼ーー純粋に彼の能力に対する信頼ーーだった。
(もう一度、お前を壊すかも知れねぇ…)
ゲッターの墓場。その一角で壁に凭れくずおれているかつての相棒を、足元に立った竜馬はじっと見上げた。
(それでも、俺と行ってくれるか?)
答えなどあるはずもない問いだった。だが、からり、と何かが落ちる音がした。
塵一つ動かぬ、虚無の風景のはずだ。
それなのに、何の力が働いたのか、目の前の機体の頭部がわずかばかり前にのめった。
先ほど竜馬がその機体の上を移動した際に、何らかの安定が崩れて、ちょうど今この時にその影響が顕在化したのか?だが、頷くようなその動きは、偶然にしては出来すぎたものだった。
角度が変わったことにより、どこからか僅かに差し込む光を受けて、ゲッターワンの剥き出しのサーチ・アイに光が灯った。標的を追跡し動き回るその機関は、まさしくゲッターの瞳に他ならない。
その瞳が、まるで意思もつ者のように、己の前に立つ竜馬を見詰めていた。
『もとより、そのつもりだ』
無機質の織り成した集合体である筈のその器官は、向かい合う竜馬の瞳に、そう語りかけているかのようだった。

——
職権濫用デートしようとする隼人!!!(わかさ)

竜馬「俺と来てくれるか?」
後にブラゲになるゲッター1「いいともー!」
そんな感じの話だった…流竜馬ゲッターロボに愛され伝説…。
チェンゲ隼人は自分の異質な才能がちょうど時勢にスムーズに必要とされたため、そこに狂気が埋もれていると知ったり才能が自壊したりすることもなくエリート的に年月を重ねて、20代半ばで壁にぶち当たって反動で必要以上にズタズタになったイメージ…。でもそんな感じでああ見えてもとの気質っていうか培われたものが他の隼人より秀才型っていうか案外穏やかで、年取ってはやりょうになった後は意外にもストレートに優しかったりするとそれはそれでっていう思い。しかし粗っぽい手管に慣れている竜馬は、相手を思うゆえにうちに秘めた激情の牙をひた隠しにしようとする隼人にちょっとじれたりなんだったりそういうむやみやたらにリリカルな感じ…。あと、実は年上の包容力のある男性が割りと好きなチェンゲ竜馬っていう妄想。本編があんまりやおってないから後書きでやおるっていう。

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